先日、慶應義塾大学院 経営管理研究科の皆さまが、一次産業の人材不足についての研究の一環で、私の圃場まで足を運んでくださいました。
皆さま、普段は名だたる企業で第一線を担われている方々。
昨年お越しくださった方々のご縁から、今年もこうして訪ねていただけたこと、本当にありがたく思います。
現場で抱えている課題や悩みに、真剣な眼差しで耳を傾けてくださる姿がとても印象的でした。
そして今回来てくださるきっかけになったのが、昨年私が書いたブログだったと聞きました。
言葉がご縁をつないでくれたのだと思うと、不思議で嬉しい気持ちになりました。
そのブログを改めて読み返してみると、あれから自分は何を進めただろう、何に挑戦しただろうと、はっとさせられました。
大きな失敗がないのは、大きく動いていないからかもしれない。
ダブルワークだから、忙しいからと、どこかで言い訳を並べていた自分にも気づきました。
こうしてチャンスやご縁は何度も巡ってきているのに、受け取る覚悟と行動が足りていなかったのだと反省しています。
また、この柚子の産地には先人たちが長い年月をかけて築き上げたものがあります。生産者としてその中に立つと、外から見ただけではわからない歴史や想い、簡単には足を踏み入れられない領域もあることを感じます。
そして今、外から見ると人材不足は大きな課題として映ります。
けれど現場では、その受け止め方もさまざまです。
まずは自分の代が無事に終えられたらいい、自分の畑を守れたらそれで十分――そうした思いを持つ方が多いのも、また現実だと感じています。
長年それぞれの人生をかけて守ってこられた畑や暮らしがあります。
だからこそ、次の世代や地域全体の話をすることが、簡単ではない場面もあります。
けれど今回、改めて感じたのは、そうした現実に向き合ううえで本当に大切なのは、人とのつながりであり、信頼関係なのだということです。
制度や仕組みだけでは進まないことも誰かと誰かが向き合い、想いを交わせるかで少しずつ動いていく。
そんな希望をいただいた時間でもありました。
慶應義塾大学院の皆さまの眼差しは、とても情熱的でした。
手を差し伸べてくださるその想いに、私も行動で応えていきたいと思いました。
圃場で景色を見ながら、感極まって涙を流される方もいて…。
自然があり、会話があり、人が動き、そこから何かが生まれていく。
今回の出会いは、私の胸に深く残る時間となりました。
本当にありがとうございました。

